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来訪者の後で (ガリレオ SS)

先日の 来訪者 というSSの続きです

准教授×新人刑事さん。 



自 己 満 足 が目的ですから!








「湯川先生!」

とっぷり日も暮れた頃、内海刑事は再び第13研究室を訪れていた
扉を開いてまず目に入ったのは 湯川准教授のけだるそうにしている姿だった。
デスクの椅子に反り返るようにして座り 腕組みをして天井を見上げるような姿勢
だが・・目は閉じているようだ

(眠っているのかな)

「・・せんせい 大丈夫ですか?」
「何しに来た 事件のことは明後日と言っていただろう」

湯川が眠っているのではと 内海はそっと声をかけたのだが 
すぐに返事がやってきたので彼は目をつぶっていただけのようだ。
ぼんやりと目を開けて今度は俯いた。

「今頃何しに来たんだ・・・」
「事件の事じゃなくて・・先生」

明らかに機嫌の悪い様子の湯川に一瞬内海はひるんだが 
気を取り直し足早に湯川のデスクの前まで歩を進めていった

「私は絶対ここへ帰ってきた方がいいって思ったんです」
「・・・何故」
「湯川先生の様子がおかしかったんで・・黙り込む先生なんてらしくないです
 だから気になって 途中で抜けてきました」

湯川が上目遣いで見上げると、そこには真剣な顔をした内海刑事がいた。

(・・・君は捜査の時も、それ以外の時も 同じ感触でその表情をするんだな)
そんなことをぼんやり考えながら 湯川は返事をした

「・・・そうだな その行動は正しかったと僕も思う」
「やっぱりなんか変なんですね・・・っていつも先生は変だけど」

君が折角帰ってきてくれたのなら。
ああそうだ。正しく君にぶつけるべきだろうな。
だまって溜め込んでいるのは僕の性には合わない。

「失敗した」
「え?」

「僕は短期間で論文を書き上げるためにはあらゆる障害も排除しようと考えていた
 だから」
「どうせ私は障害物ですよっ・・なんですかそれ。折角心配して戻ってきたのに」
「違う・・・」
「何が違うんですか!
 先生は事件を持ち込む私が障害で論文が出来ないって仰ったじゃ」
「今回の障害は 僕自身の感情だったんだよ内海君」
「へっ?」

 内海はきょとん、とした表情になる
 湯川は椅子から立ち上がる

「今まで僕は目的を達成するためには自分の感情も排除してそれに挑んできた
 だが今回はそれに失敗したんだ
 ・・・この僕がこんなに感情に縛られるとは思わなかった」

(え?)

 湯川はデスクの横をまわって薫のすぐ傍に立った
(せんせい また近い・・・!)


「草薙の事も、内海君の事も信頼しているはずなのに、
 君に草薙が近づくと 僕は動揺していた」


近距離から真っ直ぐに見据える目
その視線と言葉にうろたえて内海はみるみる赤くなっていく

「だが僕にはその動揺を処理するための時間が足りなかった。論文は明日までだ。
 動揺の原因を目の前から一時的にでも排除さえすれば論文を書くための時間と
 精神の安定は確保できると思った。だが違った」

湯川が内海の両肩を捉える

「・・僕は 自分がこんなに重症だと気づいてなかったんだ」

「・・・ちょっと わかりにくい、です 湯川先生・・・っ 」

覆い被さるように 湯川は内海を両腕で抱きしめていく

「どうしてなんだ内海君 
 僕のこのどす黒い感情はどうしたらおさめることができるんだろう」

(先生・・・)

「草薙と食事に行ってほしくない 
 あいつが君に抱きつくのは挨拶であっても許せない
 君たちを追い返しても この感情も抑える方法が僕には見つからなかったんだ」

「せんせ それって やきもち・・・」
「そうだ おそらく やきもち だ」

湯川の返事は、どこか拗ねた子供の台詞ような響きを持っていた

「先生、私は草薙さんとはなんでもありません」
「そんなこと判っている」

判ってるはずなのに、この感情はとめられないんだ

湯川はさらにぎゅ・・と抱きしめる腕に力をこめ 内海の肩元に顔をうずめる
包まれる心地よさに 内海はゆっくりと瞳を閉じた

「なんか やきもち って はやとちり って言葉に雰囲気似てますね」
「・・・はぐらかさないでくれ」
「スミマセン なんか私照れちゃって・・・自分の事じゃないみたい」
「?」
「”えっ そのやきもちは 私にですか?” なんちゃって」
「茶化すのもダメだ」

湯川はいちど内海から腕を離すと ふっくらとした白い頬を両手で包み込み
顔を近づけていく

「ままま待って下さい先生!」

「折角いいところなのに おしゃべりは後にしてくれないか 内海君」
「やっぱり待って下さいっ」
「何故僕は待つ必要が有るんだ 何のために君はここへ戻ってきたんだ」

湯川がそう問いかけると 内海はハッとして ちょっと困った顔をする 

「せんせいっ 先生がいつもより積極的なのは論文を早く終わらせるためですか?!」

(僕の気持ちを知っていて わざと意地悪な質問を投げかけるんだな。
 その手には乗らない)

「勘違いするな これは僕自身の感情を納得させるためだ 決まってるだろう」

『なんですかそれは 自分のため?!』と言って不服そうな顔をするから 
ああそうだな もっと君に判らせよう
湯川は親指でそっと 薫のふっくらとした唇をなぞる
「好きなんだ 薫」

至近距離で呟くように言えば 途端に彼女の瞳はうるみだす
「あっ・・」と可愛い声で小さく叫んだのも聞き漏らさない

その声で さらに僕の心に火がついて 
やわらかい感触の唇に吸い寄せられるように口づけた

触れ合った唇の柔らかさに酔いしれ もっともっと深く求めていく

(っせんせい こんなことしてて論文大丈夫なんですか)
(君が気にする必要はない)
(気にしますよっ)
(無論、大丈夫だ 僕に不可能はない)
(ほんとですかぁー?!・・・なんかちょっと心配したりして)
(精神のバランスがとれれば僕の仕事はすぐ片づくんだ)

そう、君さえ僕の許にいれば。
君さえ僕のものだと確信ができれば問題ないんだ。
(研究室のソファーは小さくて狭いけれど 少し我慢をしてくれ、内海君。)


end.









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